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師走を迎え何かと慌ただしい時期となりました。街もクリスマスの飾りつけ一色となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
前回、胃カメラ(上部消化管内視鏡)についてご説明させて頂きました。今回は胃カメラの中でも経鼻内視鏡についてお話しさせて頂きます。
上部消化管内視鏡にもいくつかの種類があります。胃カメラは口から入れて検査するのが普通でしたが、鼻からカメラを通すタイプの機器が開発され、最近では広く医療現場で使用されるようになってきています。
今回は、経鼻内視鏡のメリットとデメリットをまとめます。
経鼻内視鏡検査は、内視鏡を鼻から通し、鼻から喉、食道、胃、十二指腸を検査します。
経鼻内視鏡に限らず、内視鏡検査は、食道や胃を直接観察できるため、バリウムを飲む検査では見つけることができなかった異変や病気を発見できます。内視鏡を使えば、観察するだけでなく組織の採取まで行うことができるのも大きなメリットです。例えば胃の病気なら、胃炎やポリープ、早期胃がんの発見に役立ちます。内視鏡を使った検査をすることで、病気を早期発見・早期治療できるようになります。
経鼻内視鏡の直径は約5-6mmととても小さいため、鼻の穴に通すことができます。経鼻内視鏡は口を経由せず食道に入っていくため、のどの違和感が少ないのが特徴です。鼻に入るときは違和感がありますが、入ってしまえば会話もできます。通過するときに少し痛みを感じることはありますが、鼻に局所麻酔を使うため強い痛みではありません。咽頭反射がかなり軽減され、胃の中に入るときの抵抗も少ないのがメリットです。経鼻内視鏡で検査を受けた多くの人が「口からの内視鏡よりも楽だった」と答えています。「痛みを感じなかった」という人もいるので、口からの内視鏡よりずっと気軽に検査を受けられると思います。
鎮静剤・鎮痛剤などの薬を使用することなく、部分的な麻酔のみですむことが多く、患者さんの体にも優しい検査方法です。
デメリットとしては、やはり内視鏡が鼻に入っていくときの鼻の違和感や痛みということになります。鼻に水が入った時のようなツンとした痛みや、頭痛を感じることがあります。こうした症状を防ぐために、前述したように検査前には鼻の麻酔をするのですが、検査後一時的に鼻水やくしゃみなどが出る場合があります。咽頭反射はかなり軽減されると述べましたが、経鼻内視鏡でも喉の反射が出る人も稀にいるので、その場合は咽頭麻酔も必要になります。
通常の太さの経口内視鏡に比べると、やや画質が不鮮明といわれてきましたが、最近では技術の進歩により鼻からの細い内視鏡でも鮮明な画像が検出されるようになってきており、病気の診断には特に問題ありません。
また鼻腔が狭く、稀に鼻からの挿入が難しい場合があります。その場合は経鼻内視鏡を口から入れて観察することも可能です。どうしても不安で胃カメラが苦手な方には、適宜鎮静剤を使用することで楽に検査を受けていただくこともできます。
患者様には、より負担の少ない検査方法を事前にゆっくり相談し、安心して検査を受けていただける環境づくりに心がけています。
今回は、経鼻内視鏡のメリット、デメリットについて述べさせていただきました。
胃カメラについては不安をお持ち方も多いかと思いますので、いつでもご相談いただければと思います。